つぶらなカオス
~貴方に出会えて僥倖であるッッ~<逆裁サイトの日記でした>
[817] [816] [815] [814] [813] [812] [811] [810] [809] [808] [807]
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
一応バレンタインなのですね
とりあえずSSSでも書いておきますぉ!
がさがさ、と崩れる音がした。
室内は暗く、手さぐりで廊下の電気をつける。
ぼくが扉を閉めたせいだ。
バレンタインの紙袋が崩れていた。
「みつるぎー?…まだ帰ってない…ハズもないか」
チョコは断り切れず持って帰ってきたものだろう。
ぼくと付き合いだしてから御剣は変わった。
今まではつっけんどんにしていただろうに。
(丸くなったんだなあ…)
紙袋を除けて中に部屋に上がると…やっぱり暗い。
寝室のドアをそっと開けてみた。
ベッドの掛け布団がこんもりと膨らんでいる。
「……御剣?」
囁き声で尋ねる。返事がない。代わりに影がのっそりと
起き上がった。
「……なる…ほどぅか」
がさがさの声で御剣が喋る。
「風邪?」
「ぅム。すまないな」
「好きで病気になった訳じゃないだろ。謝るなよ」
「ム………」
御剣をもう一度横にさせると、ぼくはおじやを作る事にした。
人参、白菜、鶏肉を細かく刻み、しっかりゆでてから、
残っているご飯を沸騰した鍋に入れる。
出汁のもとをいれて、溶き卵をいれて、ネギを散らす。終わり。
「御剣、食欲はあるか?」
頷くので茶碗を持ってベッドに腰掛けた。
「はい、あーん」
御剣は一瞬迷ってから、食べた。意外と恥ずかしがり屋なんだ…。
「あとで熱も測ろうな」
「本当に…すまない…楽しみにしていたのだろう?」
してなかったと言えば、嘘になるな。
ぼくは嘘は言いたくなかった。
「うん」
「私も楽しみにしていたのだ…その。今日は。
今までイベントに興味はなかったのだが」
(割にしっかりチョコレート貰ってた気がするけど)
「いいよ。今日は。元気になったらやればいいし。
チョコレート関係も安くなってるかもしれないし」
「……………すまない、何の話だろうか?」
「へ?」
御剣が熱っぽい目で怪訝そうにこちらを見る。
「何の話って、今日は…バレンタインだろ」
「なに?……ああ、それでチョコレートが売りだされていたのか…
そうか……」
何を納得しているのかマッタクわからない。
「最初からぼくはバレンタインの話をしてたんだけど」
「私が話していると思っていたのはふんどしの日の話だ」
一瞬、間があった。
「ふ ん ど し ぃ ぃ ?!!!」
「非常に楽しみにしていたのだが…元気になったら、だな。
早く元気になるようにする」
そういうとぼくの手からおじやを奪い取って猛然と食べ始めた。
「いやいやいやいや。そんな急に良くならないから…
っていうかふんどしの日ってなんだよ!」
「調べてみたまえ。楽しそうではないか。さて、
私は今日はもう寝る事にする。成歩堂も早く寝たまえ」
「ええええええぇ?」
後日ふんどしの日のやり直しが行われた…。
なんというか…なんというか…ぼくが求めていたものと
かなり違ってたけど…まぁいいやと思いこむことにした。
来年はバレンタインを押し通す決意とともに。
おわり
室内は暗く、手さぐりで廊下の電気をつける。
ぼくが扉を閉めたせいだ。
バレンタインの紙袋が崩れていた。
「みつるぎー?…まだ帰ってない…ハズもないか」
チョコは断り切れず持って帰ってきたものだろう。
ぼくと付き合いだしてから御剣は変わった。
今まではつっけんどんにしていただろうに。
(丸くなったんだなあ…)
紙袋を除けて中に部屋に上がると…やっぱり暗い。
寝室のドアをそっと開けてみた。
ベッドの掛け布団がこんもりと膨らんでいる。
「……御剣?」
囁き声で尋ねる。返事がない。代わりに影がのっそりと
起き上がった。
「……なる…ほどぅか」
がさがさの声で御剣が喋る。
「風邪?」
「ぅム。すまないな」
「好きで病気になった訳じゃないだろ。謝るなよ」
「ム………」
御剣をもう一度横にさせると、ぼくはおじやを作る事にした。
人参、白菜、鶏肉を細かく刻み、しっかりゆでてから、
残っているご飯を沸騰した鍋に入れる。
出汁のもとをいれて、溶き卵をいれて、ネギを散らす。終わり。
「御剣、食欲はあるか?」
頷くので茶碗を持ってベッドに腰掛けた。
「はい、あーん」
御剣は一瞬迷ってから、食べた。意外と恥ずかしがり屋なんだ…。
「あとで熱も測ろうな」
「本当に…すまない…楽しみにしていたのだろう?」
してなかったと言えば、嘘になるな。
ぼくは嘘は言いたくなかった。
「うん」
「私も楽しみにしていたのだ…その。今日は。
今までイベントに興味はなかったのだが」
(割にしっかりチョコレート貰ってた気がするけど)
「いいよ。今日は。元気になったらやればいいし。
チョコレート関係も安くなってるかもしれないし」
「……………すまない、何の話だろうか?」
「へ?」
御剣が熱っぽい目で怪訝そうにこちらを見る。
「何の話って、今日は…バレンタインだろ」
「なに?……ああ、それでチョコレートが売りだされていたのか…
そうか……」
何を納得しているのかマッタクわからない。
「最初からぼくはバレンタインの話をしてたんだけど」
「私が話していると思っていたのはふんどしの日の話だ」
一瞬、間があった。
「ふ ん ど し ぃ ぃ ?!!!」
「非常に楽しみにしていたのだが…元気になったら、だな。
早く元気になるようにする」
そういうとぼくの手からおじやを奪い取って猛然と食べ始めた。
「いやいやいやいや。そんな急に良くならないから…
っていうかふんどしの日ってなんだよ!」
「調べてみたまえ。楽しそうではないか。さて、
私は今日はもう寝る事にする。成歩堂も早く寝たまえ」
「ええええええぇ?」
後日ふんどしの日のやり直しが行われた…。
なんというか…なんというか…ぼくが求めていたものと
かなり違ってたけど…まぁいいやと思いこむことにした。
来年はバレンタインを押し通す決意とともに。
おわり
PR